美術未経験から3浪「東京藝大」彼女の圧倒的努力 付属校からの内部進学ではなく外部受験目指す

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「もしかしたらいけるかも……と、若干希望が見えた年でした」と語るえずみさんは、この年も東京藝大一本で受験。努力の甲斐あって、「自信はなかった」ものの、無事1次は通過します。

初めて2次試験に臨んだえずみさんですが、もっとも得意としていた平面構成で例年と違う変わった課題に当たってしまったようです。

「平面構成は、一般的に何かモノを渡されて、それを魅力的に描くのですが、この年の試験では渡されるモノが一切なく、完全に想像・記憶で描かなければならなかったんです。普段対策していたものとは全然違う課題に、タイムスケジュールもままならず、正解が全然わからないまま試験が終わりました。結局この年もダメでした」

こうして2浪目に突入したえずみさん。この年は予備校を変え、池袋のすいどーばた美術学院に通うことを決めます。予備校の学生が多く、先生が1人の学生に指導できる時間が限られる中で、えずみさんは「自分から動いて先生に聞きに行くようになった」と語ります。

「家で夜中まで自主練するのはやめたのですが、21時に予備校が閉まるまで、ずっと残って絵を描き続けていました。この年はすべての試験科目で上達し、コンスタントに上段が取れるようになりました」

まさかの不合格で、先生も友人も驚いた

自分も周囲も、誰もが合格すると思っていた2浪目の挑戦。しかし、彼女は前年度に合格した1次試験でまさかの不合格を突きつけられます。

「私だけでなく、周囲の先生や友達もびっくりしていました。なぜ落ちたかわからないんです。仲のよかった予備校の友達は、もうほとんどこの年に藝大に受かったこともあって、この不合格は精神的に相当こたえましたし、これ以上うまくならないと限界を感じていたので、翌年の受験をやめようと思いました」

まさかの結果を突きつけられ、いったんはやめようと思った藝大受験。ただ、「負けず嫌いだったため」彼女は3浪を決意します。

「自分よりも評価が下だった人も合格したのに、落ちてしまったのがすごく悔しかったんです。だから、自分が落ちた理由を知りたくて、もう1浪しようと思いました。今まで会った周囲の先生方にも3浪の人が多かったですし、3浪を最後の挑戦にするつもりでした」

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