「引退から50年」長嶋茂雄は一体何が凄かったのか 監督時代も知らない人に伝える唯一無二の野球人

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東京ドーム内の3ゲート(写真:筆者撮影)

最近、メディアでは「長嶋」の2文字を目にする機会が激増している。長嶋茂雄の長男の長嶋一茂が、出演すれば確実に視聴率が稼げる人気タレントになったのだ。

一茂は、1966年、茂雄の長男として生まれる。立教大学からドラフト1位でヤクルトに入団、のち父親が監督を務める巨人に移籍したが7年、通算18本塁打で引退。

芸能界に進み、一時は「おバカキャラ」のようになったが、テレビのニュースショーで「意外にしっかりしたコメントをする」こともあり、タレントとしての幅を広げていく。

今も「消費」されている長嶋茂雄

「皇室に次いでよく知られた家庭に生まれた」毛並みのよさ、父親を彷彿とさせる若々しく精悍な風貌もあって、好感度もアップした。

年配の人は一茂と父親のイメージをオーバーラップさせる。若い世代は「すごいお父さんなんだって?」と茂雄に関心を寄せる。

プロ入りから66年、長嶋茂雄はさまざまに「再生産」されながら今も「消費」されているのだ。

2021年、長嶋茂雄はプロスポーツ界では初めて文化勲章を授与された。昭和の大衆文化を担った長嶋にとってまことにふさわしい。こんな野球人はもう出てこないだろう。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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