対話の現場/自分と他者の人物評価、一方的決め付けの構造


 その人物のことをどれほど知っていれば、正しく評価する「資格」が得られるのだろう? 眼前の事象以外の事情もつねに考慮しなければならないのでは、そもそも人物評価など不可能になってしまう。

言動の一端から、全人格を決め付けられることもありうる──これが社会の現実だろう。そういう世間の「誤解」と、友人・知人の「ひいき目」が融合して、人物評価は社会的に構成されるのである。

対話をする場合、他者についても自分についても、人物評価にとらわれないのが一番である。「誤解」も「ひいき目」も、対話の障害にしかならないからだ。だが、人間はそうそう虚心になれるものではない。

ならば、他者についての評価は「柔らかく保つ」のが得策である。「この人はこういう人なのだ」と、信念を固めない。その人について新たな情報が得られるたびに、人物評価もあらためて下すのである。

自分については、原則として「誤解されるもの」と考えるようにしておく。「他者はわかってくれるだろう」という甘えが、対話的な発想と態度を阻害するからだ。

失言や失態を繰り返す政治家には、この種の「甘え」が感じられる。だが、他者とは「わかってくれない」ものであり、「ごくわずかな情報を手掛かりに、全人格を決め付ける」ものなのだ。その点が理解できないのなら、政治家のような不特定多数の評価にさらされる職には就かないほうがよい。

「形式」と「内容」で発言全体を評価する

発言を評価する場合、もう一つ注意すべき点がある。それは「内容」と「形式」を分けて考えるということ。発言の内容そのものに問題があるのか。それとも、口調や声音や態度など、発言の形式面に問題があるのか。内容と形式の評価を統合した結果、どのような総合評価が下せるか──ということである。

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