プロが選ぶ「本当にいい保険・ダメな保険」 裏事情を踏まえたランキングを作ってみた

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「保険特集号(保険ランキング)」は、経済・ビジネス各誌の定番特集だ。何度もやっていると、勢いが衰えがちな定番モノにあって、保険特集は昨年末あたりからむしろ勢いを増している。

昨年12月にプレジデントの『得する保険、いらない保険』(2014年12月1日号)がバカ売れすると、今年3月にはそれまで保険ランキングを特集したことがなかった日経トレンディですら保険ランキング号を刊行した。同月には日経アソシエが日経マネーと共同で「保険完全ガイド」を出版している。

思惑や好みに「引っ張られる」

ただ、こうした保険ランキングは回答者(多くはファイナンシャル・プランナー。以下FP)を多くすればするほど、代理店を兼営するFPの営業的な思惑が多く混じりやすい。一方で、少なくすればするほど、個人の好みに引っ張られて、「本当にいい保険」「本当はダメな保険」が見えにくくなりがちだ。 

週刊東洋経済2015年7月11日号(6日発売)の特集は『トクする保険 ソンする保険』です。保険を見直す簡単な方法や、相続・争族対策など保険の気になる今を52ページで総まくりしました。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

また、多くは調査表をばらまき、回答のあったものでランキングするいわば投網方式だ。実際、今回の取材の過程で、右上に取材協力費の振込先の記入欄のある調査表を、あるFPから見せられた。これだと、サンプルの取り方に偏りが出るほか、実際に会って聞かないと「推薦理由」「推薦しない理由」が曖昧なままになってしまったり、「本当はこっちなのだけどね」といった本音を吸い上げたりできない。

 そこで、週刊東洋経済は2015年7月11日号(6日発売)の『トクする保険、ソンする保険』特集の取材に関連して、保険契約に前向きな5人、逆に懐疑的な5人、双方の側から「バランス感覚がある」とされる1人の計11人(ベストイレブン)の識者を厳選し直接取材。保険ランキングの決定版を作ってみた。

 「保険契約に前向きなFP5人」は、保険ランキング号の元祖「よい保険・悪い保険」(別冊宝島)の選者6人から4人(横川由理氏、松木祐司氏、平野雅章氏、山本俊成氏)に「お宝保険」の第一人者・鬼塚眞子氏を加えた5人。「懐疑的な5人」は前掲「保険完全ガイド」の選者7人のうち生活設計塾クルー取締役の4人(内藤眞弓氏、浅田里花氏、深田晶恵氏、清水香氏)に内藤真弓氏の推薦する岩城みずほ氏を加えた5人。バランス感覚があると双方が認める1人は、竹下さくら氏。前掲『得する保険、いらない保険』の選者23人とかぶるのは3人のみとした。

保険の商品カテゴリーごとの「いる/いらない」も取材し、5段階評価してみた。商品のランキングはよくみかけるが、カテゴリーごとの必要度はおそらく初めてなのではないか。

結果の一部は以下のとおり。(「いる度」は数値が多ければ多いほど必要度が高いという意味で、最大は5。得点は、あるFPが1位に薦めたのが100点、2位が10点、3位が1点で11人分を合計したもの。たとえば612点は1位が6人、2位が1人、3位が2人という意味。)

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