認知症「一歩手前」の特徴と予防のためにできる事 そのもの忘れは「病的な健忘」か「加齢現象」か

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「患者さんご自身やご家族から特によくお聞きするのは、同じ話を何度もしているのに話したこと自体を忘れてしまう、新しく買ったテレビなどの機器の操作がなかなか覚えられない、といった話です」(岩田さん)

MCIは、記憶障害の有無で大きく2つに分けられる。

記憶障害がある場合は「健忘型」といい、アルツハイマー病や血管性認知症になる確率が高いとされている。そして記憶障害のない場合を「非健忘型」といい、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症になりやすいそうだ。

MCIになった場合、早めに治療や対策を行ったほうがいい。なぜなら認知症へと進んでしまうリスクが高いからだ。

「認知症は、脳の神経細胞が減少して萎縮した状態です。萎縮した脳を元に戻すことはできませんから、早期の段階で見つけて、適切な治療や対策を行うことが大切になります」と岩田さん。

一方で、MCIになったからといって、必ずしもすぐに認知症へと進むとは限らず、「適切に対処すれば元に戻ることさえある」と、岩田さんは言う。実際、MCIになると1年で約5〜15%が認知症になるものの、約16〜41%は年相応のレベルに回復し、残りはMCIのレベルにとどまるとされている。

糖尿病は認知症リスクが高い

では、認知症へと進行しないために、自分自身でできることはあるのだろうか。岩田さんは「まずは、認知症に深く関わっているとされる生活習慣病を予防・治療・改善することです」と答える。

「高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症などの生活習慣病は、MCIおよび認知症になるリスクを高めます。普段から生活に注意して、こうした生活習慣病にならないことがMCIや認知症の予防につながります」」(岩田さん)

すでに生活習慣病になっている場合も、きちんと治療して病気をコントロールすることが大切だ。

特に糖尿病は、認知症になるリスクを大きく上げることがわかっている。九州大学の研究によると、糖尿病の人はそうでない人に比べ、認知症にかかるリスクが2〜4倍になるという。

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