目への紫外線の害には、大きく急性のものと、慢性のものとにわけられる。
急性のものは短期間で生じる。佐々木さんによると、一時的にでも目に強い紫外線を浴びると、いわゆる“目の日焼け”といわれる急性障害を引き起こすことがあるそうだ。代表的なものとしては、スキーのときの「雪目」がそれにあたる。
「スキーに限らず、テニスやゴルフなど、天気のよい日に屋外で2~3時間ほどスポーツをしたあと、目が真っ赤になっている人がいますよね。そのほとんどは目の日焼けが原因です」(佐々木さん)
これは強い紫外線によるダメージで角膜が傷つき、炎症を起こすことで生じるもので、「紫外線角膜炎(雪目はその重症型)」と呼ばれる。炎症がひどい場合は、角膜の表面がはがれ、強い痛みや異物感、充血、涙が出る、まぶしさを感じるといった症状が表れる。一時的な視力低下を引き起こすこともある。
紫外線を浴びたあと、先に挙げたような症状が表れたら、まずは目を休ませることが大切だ。
「まばたきをすると傷ついた角膜にまぶたがあたって痛むこともあるので、軽く目を閉じて安静にしていることが大事です。症状が軽ければ、そのままでも1~2日程度で治ることが多いです。痛みが強く、症状に改善が見られないときは、早めに眼科を受診しましょう」(佐々木さん)
この場合、消炎効果や痛み止め効果のある点眼薬や、抗菌薬入りの点眼薬などで治療をしていくそうだ。
紫外線で目に「シミ」ができる?
紫外線による急性障害を繰り返していると、目へのダメージは徐々に蓄積していく。その結果、慢性的な目の病気を発症しやすくなるという。その代表的な病気が、「瞼裂斑(けんれつはん)」や「翼状片(よくじょうへん)」、「白内障」「老眼」だ。
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