白目にシミ、黒目が欠ける「目の日焼け」の問題点 侮ってはいけない紫外線で「蓄積する」ダメージ

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金沢医科大学が内灘(石川県)、西表島、タンザニア在住の小学生を対象に行った眼疫学調査によれば、西表島や石垣島に住む小学生の瞼裂斑の有病率は高く、学年が上がるにつれその割合は高くなっている。西表島では小学6年生の約70%に初期の瞼裂斑が見られ、赤道に近いタンザニアに近いレベルだ。

ちなみに、本州の内灘(石川県)の小学生は高学年でも3.4%で、佐々木さんによると、東京の小学生もこれと同程度の発症率と予想されるそうだ。

グラフ

子どもにも紫外線対策をしっかり

子どもと大人で目が浴びる紫外線量には差はないのか。

大人に比べて身長が低いため地表からの紫外線の反射光を浴びやすいこと、子どもは大人よりも瞳が大きいため、水晶体が紫外線を透過しやすいことなどの特徴が挙げられる。

子どもによっては、18歳になるまでに一生分の50%を浴びているそうだ。

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そうした状況にもかかわらず、紫外線から目を守るサングラスを使っている子どもや若者が少ない現状を、佐々木さんは危惧する。

「特に、野球やサッカーなど屋外の部活に参加している子どもは、最長で大人の3倍の時間を外で過ごしています。子どものうちに紫外線を大量に浴びてしまうと、成人後に翼状片や老眼、白内障などの目の病気の早期発症リスクが高まります。子どもの紫外線対策こそ重要です」(佐々木さん)

外出するときは、子どものうちから、できるだけUVカット機能付きの眼鏡や帽子などで紫外線対策をしておいたほうがいいそうだ。

(取材・文/石川美香子)

金沢医科大学眼科学講座主任教授
佐々木 洋医師

1987年金沢大学医学部卒業後、自治医科大学眼科入局。アメリカ・オークランド大学眼研究所研究員等を経て、2005年より金沢医科大学眼科学講座主任教授。「特定非営利活動法人 紫外線から眼を守るEyes Arc」理事長も務める。国内外で紫外線関連眼疾患の疫学調査を実施している。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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