中年になっても物覚えがいい人になるための秘策 学んだことを記憶に定着させるための脳の使い方

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海馬が働かなくなると一気に注意力が散漫になります。そもそも海馬はストレスに弱く、急な変化が苦手で生活リズムにとても敏感という、デリケートな怠け者。このちょっと面倒だけど、愛すべき海馬ちゃんとうまくやることがもっとすごい脳になる最短ルートです。

記憶系をファイアリングさせる鍵は、記憶系の中枢である海馬を疲れさせないようにコントロールすることです。まずはこの性質を覚えておきましょう。

怠け者でいかに休むかを常に考えている海馬は、脳の持ち主である私たちが眠気を感じていると、「そっちがぼーっとしているのに、なんで自分だけ働かなきゃいけないのさ」とばかりに自分も休もうとします。

常に睡眠不足の状態だと、それだけで記憶系脳番地の働きが落ち、ファイアリングの機会は減っていきます。さらに海馬は、できるだけ自分の仕事量を減らそうと考えているので、さらっと目を通した程度のことは、さほど重要ではないと判断して受け流します。

勉強を頑張りたいので記憶系にご機嫌で働いてほしいと望むのであれば、「◯◯について学ぶので、なにとぞ宜しくお願い申し上げます」と海馬ちゃんに謙虚にお願いし、御百度参りをするくらいの誠意を見せないといけません。

あなたの日常の行動を海馬は見ている

こちらの本気度、誠意が海馬に伝わると、「これについては長期記憶に入れてあげよう」という海馬との契約が成立し、記憶の定着のルートが開かれます。

一度契約が成立すると、関連する情報が入ってきたときにファイアリングしやすくなるという特典もついてきます。

一方、本気度が契約成立の条件であるがゆえに、SNSやゲームなどをしている時間が長く、視覚系と聴覚系の両方を使って集中して取り組んでしまうと、「脳の持ち主は今これに本気なんだな」と海馬が判断し、契約が成立してしまいます。

これが行きすぎるとゲーム依存、スマホ依存などになってしまい、本来するべきはずの勉強が手につかないという状態に陥ってしまうことも。生活の中での優先順位を明確にすることも、記憶系のファイアリングには重要です。

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