両親の自己破産で「奨学金225万」借りた女性の顛末 金銭的理由で志望校断念も、それでも求めた「大卒」

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「対策もなにも第二種であれば普通に借りられるのでは?」と思う読者も多いだろう。ただ、栗原さんが高校生だった90年代後半は第二種が「きぼう21プラン奨学金」と呼ばれていた時代でもある。現在とは異なり、小論文と面接があったという。

「進学校に通っていたので、周りも進学するのは当たり前だったのですが、奨学金を借りたのは私ともうひとりだけだったのは、やっぱり少し恥ずかしかったですね」

こうして、無事に志望校にも奨学金の面接にも受かった栗原さん。しかし、ここでもまたお金に関する問題が発生してしまう。

「私のリサーチ不足で、大学の入学金と前期の学費は、入学前に支払わないといけないということを、後から知ったんです……。奨学金に関してもリサーチ不足だったため、『入学後に毎月一定額振り込まれる』ので、大学と奨学金機関との連携ができていて、なんとかなると思い込んでいました」

そこで、栗原さんは志望していた大学への入学を断念して、思い切った方向転換をする。

「後ろ髪を引かれつつも、大学にはどうしても入りたかったので、急いで夜間部の試験を受けることにします。入学する予定の大学の受験科目にはなかった、世界史が試験科目に入っていたので、2週間という短い期間で猛勉強して、なんとか第二部(夜間部)に合格することができました。

もしかしたら他の奨学金制度で解決できる方法もあったのかもしれませんが、その時は調べる時間もなく合格することに必死でした」

4年間で借りた金額は225万円

こうして、紆余曲折ありながら、なんとか大学に入学することができた栗原さん。夜間部は昼間部よりも学費は安いが、それでも奨学金がなければ通えない。

そこで、栗原さんは4年間で第二種を225万円を借りることにした(学費は入学金込みで208万円)。

「ただ、ここでも入学金は事前に払わないといけないので、父がかき集めた現金で入学することができました。父には感謝しかありません。

それで、いざ大学に入ってみると講義は夜なので、週4〜5日は7時間程度バイトを入れるようにしていました。貯金額と生活費だけで、毎月10万円近く稼いでいましたね。大学も家から通える距離にあったので、バイトから支給される交通費で大学に通っていたといってもいいくらいです(笑)」

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