両親の自己破産で「奨学金225万」借りた女性の顛末 金銭的理由で志望校断念も、それでも求めた「大卒」

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これまで、散々お金で苦しい思いをしてきたため、まずは貯金に全力を注いだ栗原さん。それでも、高校時代同様、大学生らしいことも経験していた。

「サークルはジャズ研に入っていたので、頻繁にスタジオ練習があるんですよ。その際のお金はバイト代から捻出していました。その一方で、夜間部の学部は適当に選んでしまったため、そこで学んだことは、その後、人生の役に立つことはありませんでしたが、とにかく貯金と『大卒』の称号を得ることはできました」

そして、4年かけて無事に大学を卒業。その後は高校時代に志していたクリエイティブ業界とは違う職種を選んだ。

「ここまでの経歴を見ていただいてわかると思いますが、私は『就職氷河期』の最後の世代でもあるので、なかなか就職先が決まらなかったんです。他方でクリエイティブやITへの興味を忘れられず……。

当時はSEを目指して、就活と同時並行で専門学校に通いながら勉強していたのですが、ある時、偶然その専門学校の求人を発見したんです。そして、そのまま採用試験を受けたら、受講生ということを物珍しがられて採用されました(笑)」

そして、入社後はECに関わる部署やシステム部に配属されたため、希望していたIT系の仕事に携わることができ、就職後は家にお金を入れることもできた。

社会人になってからも学び続けた

無事に希望していた仕事に就くことはできたが、若い栗原さんにはまだまだやりたいことがあったため、専門学校で仕事をしながら、デザイン関係の専門学校にも通い始める。

「教育の仕事は楽しかったのですが、もっと自分で企画したものを作りたかったんです。そこで、学費も半年で70万円はしましたが、貯金を取り崩してステップアップのために専門学校に通ったんです。

そうしていると、優秀作品展に選出していただき、学生時代から夢見ていたクリエイティブ系の仕事に転職することができたんです」

もともと、志望していた大学には入れなかった栗原さんだが、目指していた自分にはなれた。ところで、いくら貯金があったとはいえ、奨学金の返済はつつがなくできたのだろうか?

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