NHK大河ドラマ「光る君へ」がスタートして、平安時代にスポットライトがあたっている。世界最古の長編物語の一つである『源氏物語』の作者として知られる、紫式部。誰もがその名を知りながらも、どんな人生を送ったかは意外と知られていない。紫式部が『源氏物語』を書くきっかけをつくったのが、藤原道長である。紫式部と藤原道長、そして二人を取り巻く人間関係はどのようなものだったのか。平安時代を生きる人々の暮らしや価値観なども合わせて、この連載で解説を行っていきたい。連載第18回は、兼家・道兼親子に騙され出家した、花山天皇のその後の人生を紹介する。
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花山天皇の出家後の人生とは?
歴史ドラマにおいて、登場人物の命が尽きるシーンは、物語を盛り上げるうえで欠かせない。しかし、全員の臨終場面を描いたら、放送時間がいくらあっても足りなくなるだろう。
そこでナレーションによって「○○は討ち死にした」といったように、登場人物の死亡が説明されることが、歴史ドラマでは少なくない。
いわゆる「ナレ死」と呼ばれるもので、あっけなく退場させられる登場人物の切なさに、おのずと思いが寄せられる。だが、それでも死が視聴者に知らされるだけマシである。
ストーリー上、もう見せ場がなくなり、気づけばいなくなって、最後まで登場しない……。そんな人物も数多いる。
今回の大河ドラマ「光る君へ」においては、花山天皇がまさにそうなってもおかしくなかった。
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