「仕事やらなきゃ」「でも、やる気出ない」最強取説 動けない現代人のための「心の勢い」の作り方

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あらゆるシチュエーションで、「行き詰まったら動く」ことを意識してほしいと著者が主張するのは、こうした理由があるから。なお、立ち上がるだけでなく、背伸びをする、歩き回る、ラジオ体操をする、軽くジョギングするなどの行動も、モメンタムの発動に効果的だそうだ。

ヨガの秘術「火の呼吸」を行う

加えて「呼吸」も、モメンタムに影響するようだ。たとえばここでは、モメンタムを高めるために使える呼吸法のひとつとして、クンダリーニヨガに伝わる呼吸法「火の呼吸」の簡易版が紹介されている。

背筋を伸ばして、「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」と息を短く、強く吐いてください。わかりやすく「ハッハッハッ、ハッハッハッ、ハッハッハッハッハッハッハッ」と、三三七拍子にしても結構です。
火の呼吸をすると激しい運動をした後のように心拍数が上がるため、アスリートのトレーニングにも取り入れられています。(32ページより)

とはいえ、もちろんアスリートと同じことをする必要はなく、多くても5〜10回にとどめておくべき。やりすぎると酸素過多による過呼吸を起こす恐れもあるので、特に心臓の欠陥系に不安がある方は控えたほうがいいようだ。あくまで無理のない範囲で、ということ。

なぜ、呼吸がモメンタムに影響するのかというと、自律神経が関わっているからです。火の呼吸は交感神経に作用します。交感神経とは身体が活動的になるときに優位になる神経のこと。モメンタムに着火させるための呼吸ともいえます。(32ページより)

冒頭でも触れたように、著者の2人が提唱しているのは、マインドフルネスで心を落ち着かせ、モメンタムで心を勢いづけることである。自動車に当てはめて考えるなら、きちんとチューンナップしたうえでエンジンをかけ、適切な環境でぐっとアクセルを踏み込むようなイメージだろうか?

という比喩が適切であるかどうかは別としても、そもそもマインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけでなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素が多分に含まれているのだという。

だとすれば、たしかに本書で解説されている概念は「動けない自分」をなんとかするための起爆剤になってくれるかもしれない。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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