日本中で大号令「貯蓄から投資へ」に感じる違和感 預貯金は時代遅れ? 金利が動く今考えたい本質

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さらに流動性を高めたいなら、6カ月物と1年物の2本に分けるとか、1~2週間満期の定期預金を自動継続で利用するなどもあるが、金利面では普通預金とあまり変わらないのでメリットは少ない。ただ、普通預金だとうっかり使ってしまいそうで心配……という人にはいいだろう。

「貯蓄から投資へ」ではなく「貯蓄も、投資も」が大事

昨今は積み立てというと投資ばかり話題になるが、貯蓄の基本は積み立てであり、コツコツ確実に積み上がっていく金額を見るのはうれしいものだ。これだけ貯められたという自信にもなる。元本を積み上げる役割としても定期積み立ては決して馬鹿にはできない。

最初に触れたように、金融商品にはそれぞれ得意不得意がある。預貯金はやはり増やすよりは確実に貯めて使うために利用するのがいい。逆に、NISAやiDeCoで投資信託の積み立てをするのは、コンマ以下の金利よりは増えると期待できるからだ。ただし、将来いくらになるかは約束されず、増えるかもしれないが減るかもしれないので、もうすぐ使うから減っては困る用途には向かない。かなり遠い先の老後資金をイメージするのが適しているのだろう。

そういう意味で「貯蓄から投資へ」というフレーズは間違っている。「貯蓄も、投資も」どちらも必要というのが正しい。政府も投資教育にばかり熱を入れず、このお金の原則をしっかり伝えてほしいものだ。

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松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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