このように、「いつ必要になるかわからないが、すぐに下ろせる預金」の置き所に、ちょっと金利高めになった普通預金は向いている。よく、緊急資金として給料の3カ月から半年分を貯めましょう、と言われるが、そういうお金の置き所にもいい。
もちろん定期預金でもいいが、解約の手続きがひとつ挟まってしまう。困った時に、キャッシュカードですぐ下せるのは、まさに流動性が高い普通預金のメリットだ。
定期預金は「近い将来に使うと決まっているお金」に
次に定期預金。先の「安全性」の性質が強い金融商品だ。定期の言葉通り、定められた期間内は口座からお金を下ろすことができない。
今回のマイナス金利解除がらみでは、普通預金に先んじて10年物などの長期定期預金金利が引き上げられた。
なお、メリットでもありデメリットになるのが、金利が固定されていることだ。例えば三菱UFJ銀行の場合、3年物だと0.15%、5年だと0.2%、10年だと0.3%となっているが、預けている期間中はこの金利がずっと続くことになる(※年利、税引き前。金利は4月22日現在)。
これから金利が上がると期待されている時に、5年や10年ものに預けてしまうと、途中でさらに金利が上がっても反映されず、得策とは言えないわけだ。
セオリー通りに言えば、金利上昇局面ではキャンペーンの特別金利が多い1年物に預け、上昇したら少し長期に乗り換えるのがいい。しかし、これでは複利効果が薄いので、収益性を求めるより、1~3年以内に使うと決まっていて、元本が減っては困る資金の預け先にするのがいいだろう。予定している車の買い替えや家のリフォーム資金、子どもの留学資金などだろうか。
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