65歳以降も学び続け元気な人と学ばない人の差 記憶力の衰えでなく好奇心の衰えこそが大問題
学ぶのに遅すぎるということはありませんが、「もっと知識を持っていれば」と後悔することはたくさんあります。それが取り返せないこともあります。無知であることのコストは、想像以上に大きいのです。
私は昔から経済について勉強してきました。しかし、勉強すればするほど、日本の賃金はなぜ上がらないのか、一方でアメリカや韓国はなぜ成長率が高いのか、と謎が深まっていきます。その謎が好奇心を刺激して、勉強への意欲は高まります。
人間は本来、年齢とともに知識が積み重なり、それに伴ってより高度な知識や関連分野の知識への欲求が強くなっていくはずです。
興味と知識は密接につながっています。興味を失うと勉強しなくなり、勉強せずに知識が古くなったり忘れたりすると、さらに興味が失われていく。この悪循環こそが勉強の最大の敵です。もしこのサイクルが止まっているのなら、いますぐ再循環させなくてはなりません。
「興味が湧かない」と感じるならば、それは「学び始める」チャンス。学ぶから、興味が湧く。学びはいつでも「起点」になるのです。
コンピュータとの長い付き合い
私はPCやスマートフォンをかなり使っていますが、それは、大型コンピュータの時に散々苦労させられたからだと思います。
最初に大型コンピュータを使ったのは、大学3年生のとき(昭和36年:1961年)。夏休みの工場実習で三菱造船(現・三菱重工)長崎造船所に2週間くらい滞在。IBMのコンピュータを使いました。多分、日本で初めて使えた大型コンピュータの一つだと思います。「コンパイラ」という装置で穿孔テープを作り、それをコンピュータに読み込ませていました。ニュートン法で方程式の解を求めるプログラムを通すことに成功。
大学4年の時には、日本が最初に作った大型コンピュータTACの中に入りました。「中に入った」というのは、東大総合試験所の大きな部屋が、まるごと一つのコンピュータだったからです。棚に真空管がずらっと並んでいました。
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