勉強は実技科目、知識を使うスキルが不可欠だ 社会人の「勉強の戦略」のために知るべき本質
勉強とはすべて「実技科目」である
多くの人は「勉強」について、難しく考えすぎています。
勉強とは、シンプルに言うと「できないことを、できるようにする」という行為です。
そのためには「できないこと」、つまり「課題」の解像度を上げないといけません。
もっと言えば「〇〇について勉強する」ということ自体が、より大きな人生の課題を解決するための手段なのです。
「勉強することそのものが目的です」という考えの方ももちろんいらっしゃいますが、この記事の読者の皆さんには、あまり当てはまらないと思います。
もしそうであるならば、勉強の先には「仕事や人生をよりよくしたい」という目的があるはず。そのための手段である勉強に、いろいろとほかの意味を持たせても、ただノイズになるだけです。
これは、学生の勉強と社会人の勉強の、大きな違いかもしれません。
学校では基本的に、知識を身につけることを目的として勉強します。
しかし、学校を卒業したら、学校で得た知識は「あると有利になることが多い武器」ではありますが、「最終的な目的」ではなくなります。
社会人にとっては、勉強ができるということよりも、それを「どう生かすか」を考える力のほうが大切な要素になります。
勉強して身につくことには、大きく2つの種類があります。
1つは「知識」。もう1つは「スキル」です。
「知識」とは、暗記したり、理解したりして身につけていくもの。
一方で、「英語を速く読む」「計算をすばやく正確にする」などのような「スキル」はトレーニングによって習得する必要があります。この2つは鍛え方が違うのです。
たとえば、数学の応用問題を解くとします。微分や積分などは、計算のスキルです。微分や積分は、やり方を知っていて、ゆっくり時間をかけてもいいのなら、できる人も多いでしょう。
ですが、実際には、問題を時間内に解くためには、スピードも重要です。そのために「スキル」が必要なのです。
スキルがなく、計算に負荷がかかりすぎると、問題はなかなか解けません。計算に必死で、問題の全体像を忘れてしまい、ロジックもわからなくなってくるでしょう。
数学の応用問題を解くには、複数の知識を組み合わせて、ロジックを立てないといけません。そこに脳のリソースを可能な限り割くようにしないといけない。
だから、その前段階の「この公式はどう使うのか」「この数式はどうやって解くのか」といったところは、半自動化できるぐらいまでトレーニングしておく必要があります。
「微分や積分なら、もう知ってるよ」という人でも、それを半自動的にこなすスキルが足りないから、その先の難しい問題でつまずいている可能性があります。
ちなみに塾を作ったときから、うちのコンセプトは「教えるな、鍛えろ」です。知識だけあってもダメで、スキルを鍛えないといけない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら