勉強は実技科目、知識を使うスキルが不可欠だ 社会人の「勉強の戦略」のために知るべき本質
英語でいうなら「英語の知識」だけをたくさん身につけても、試験の点数は、ほとんど上がりません。ただの「英語ものしり」になるだけです。知識があるだけでは「だから何?」という状態。
知識を生かして英語を素早く読んだり、聞いたり、それを受けて話したりするために、どうトレーニングするかが大切です。
英語のYouTubeを2時間ぐらい見て「あ〜、今日は2時間も勉強したな」と満足して寝てしまったら、絶対に成績は上がりません。
英語は「実技科目」です。知識だけ入れたってしょうがないのです。
「知識とスキルは違う」
これを知っているだけで、勉強に対する解像度はぐんと上がります。
あなたは今、知識を身につけているのか? スキルを身につけているのか?
これを認識したうえで勉強すると、思考がクリアになっていきます。
知識量が「理解力」の底上げをする
では「理解力」とは何か?
理解力とは「知識の量」に支えられています。論理が理解できないのは「そこに使われている言葉の知識がない」のが原因であることがほとんど。
理解ができないのは、多くの場合、知識が足りないからなのです。
たとえば「雨が降りました。だから傘を買いました」という文章のロジックが理解できないという人はいないはずです。シンプルな順接です。
でもこの文章は、実際にはいくつかの論理をスキップしています。ものすごく丁寧に論理をつなぐと「雨が降りました。今は傘を持っていなくて、濡れるのが嫌だから、濡れないために傘を買いました」となるでしょう。
これが理解できるのは、「前提知識」が揃っているからです。
この文章を理解できたあなたは、「雨」についての知識もあるし、「濡れたら嫌だな」という感覚も共有できているし、「傘は雨を防ぐためのツールだ」ということも知っています。
現代文で、「小林秀雄の文章がわかりにくい」と言われることがあります。でもこれも知識があれば、ある程度わかるようになるものです。小林秀雄の文章は、まず語彙が現代のものと違いますよね。このような言葉の前提知識にズレがあって、さらに背景知識も不足しがち。そのせいで正確に捉えきれないから、現代の人にとっては難しく感じるのです。
物事を理解できないのは「論理的思考力」が欠けているからではなく、単に「知識」の問題であることが多いのです。知識さえ身につければ、誰でもある程度は理解できるようになるはずです。
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