そして医師は患者の申告をもとに治療方針を立てるため、疾患の治療がうまくいかず患者自身の健康を害する結果に繋がってしまうのです。
生活の中に服薬という新しい習慣を取り入れることは誰でも難しいものです。生活事情や薬が飲めない原因もさまざまであるため、ご自身にあてはまるものを医師や看護師、薬剤師などと相談しながら改善していくことが重要です。
薬が飲めない原因としてよくあるのは、処方された薬の種類や回数が多いことではないでしょうか。特に高血圧や糖尿病など生活習慣病を抱えやすい中年以降の方では、大量に処方された薬のシートを見るだけで嫌になってしまう方も少なくありません。まず種類をなるべく減らしていきたいところですが、一度医師の診断で処方された薬を患者側が意見して減らすのはなかなか難しいかと思います。
薬の種類と回数を減らす方法
そこで、配合剤という2種類の薬をまとめられる薬剤は見かけの数を減らしてくれるため効果的と言えます。また回数や飲み方を工夫することも大切です。例えば1日2回朝晩と、1日3回毎食後の薬が同時に出た場合、薬の管理をするだけで1日が終わってしまいます。特にお仕事をされている方は規則的な食事が難しい場合もあり、飲み忘れが重なるにつれてもういいや、と面倒になってしまう場合もあるでしょう。
そのようなときは、素直に「薬の回数や種類が多くて困っています」と伝え、回数をなるべく減らすだけでなく、ご自身が飲みやすいタイミングに揃えてもらいましょう。
さらに、家庭での薬管理としては薬のシートの上から1錠ずつ飲む日付を書く、1回分の薬をひとまとめにしてケース等に入れておく、飲むタイミングを決めてその時間にアラームをかけるといった工夫ができます。
飲むタイミングも、食事や歯磨きなどすでに習慣になっているものにプラスすることがおすすめです。新しく物事を習慣化するには1〜3カ月程度かかると言われていますが、すでに完成しているルーティンに組み込むことで、より早く、より自然に毎日薬を飲めるようになると考えられます。
薬の飲み方についても、錠剤だけでなく粉薬やシロップが用意されているものもあるため、自分に合わないと感じた場合は一度医療機関で相談してみましょう。錠剤が大きかったり、飲み込みづらさを感じている場合は口の中で溶けるタイプの錠剤(口腔内崩壊錠)もおすすめです。
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