DeNA南場会長が語る「日本はダイナミズムがない」 DeNA南場会長とハイセンスジャパン李社長対談
最近は米中関係の影響で中国人が減っていますけども、日本人はYコン(Yコンビネーター)にも入っていないし。日本はとても居心地がいいと言っていただいて、それは日本人にとってもそうで、アメリカの西海岸で起業する人も、アメリカのトップの大学院で学ぶ人も少ないです。
だから出たがらなくなってしまっているのは懸念するところです。もう一世代前はまだハングリーさがあったように思います。
李:生活が豊かになると欲求も低下するかもしれない。中国もそうですよ。1990年、2000年代生まれと1970年、1980年代生まれは全然違います。
中国は1980年ごろまでみんな貧乏だったから、家庭の経済状況を改善するために頑張って働いて、給料を多くもらうために競うのが当然でした。
その結果、1990年代に入ると都市部は豊かになってきて、そんな環境で育った今の若者は総じて欲求が強くなく、仕事や出世もほどほどでいいと考える人が増えています。7~8年前に、中国では「仏系青年」という言葉が流行しました。
日本の「草食系」に近い言葉ですね。今は経済が悪くなって、格差も広がって「頑張ってもどうにもならない」という「躺平(寝そべり族)」状態になっていますけど。
日本の課題は30年遅れで中国でも起こる
――南場会長が少子高齢化を懸念されていますが、中国も同じ道をたどっていますね。
李:そうですね。日本の課題は30年くらい遅れて中国で起こりますね。中国はまだ定年が60歳で、60歳以上も働くという考えがないんです。80歳になると周りの人が世話してくれないと生活できないイメージです。
そうそう、それで日本のいいところをまた思い出しました。日本に来て一番驚いたのが80、90歳になっても自転車に乗っている人がいたこと。60、70歳で仕事をしているのも普通ですよね。こういった元気な高齢者を見て、頭と体を使い続けるから日本人の寿命が長いのだと納得しました。
私は以前、会社を定年退職したら仕事は終わりだと思っていましたが、今は90歳、いや100歳まで運動と仕事を続けるのが目標です。日本に来ないとそういう気持ちにはならなかったです。
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