DeNA南場会長が語る「日本はダイナミズムがない」 DeNA南場会長とハイセンスジャパン李社長対談

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――中国の経営者や研究者は日本の研究開発はもちろん、100年、200年続く企業が多いことを高く評価します。

南場:会社が200年続くのはもちろんすばらしいことだと思うんだけれども、社会全体としては主役が入れ替わるダイナミズムがあったほうが、そういう経済のほうが成長していることは間違いなくて。

それにノーベル賞とおっしゃるけど、30年後には、いや10年も経たないうちに日本からノーベル賞は出なくなるかもしれない。中国からたくさん出るかもしれない。

:でもノーベル賞は中国ではまだ2人しかいない。だいぶ差がありますよ。

南場:日本も課題を認識して研究開発に国のお金を注ぎ込むようになっています。なので期待をしたいですし、やっぱり日本のいいところを大事にしつつ発展していかないといけないと思います。

李社長は本当に日本のことをよく言ってくださるんです。嬉しいですけど、事実として日本の地位はどんどん下がっていますし、生産性もG7で最下位ですし。

あと、これは中国もいずれ日本以上に大きな問題になるでしょうけど、少子高齢化が進んで市場がこの規模感で縮小していくこともかなり深刻です。日本を対象とした事業では頭打ちで、世界を相手にした事業でないと発展性がなく、企業価値もなかなかつきません。

世界で活躍できる人材じゃないと日本を救えない

――中国も最近はアフリカや南米にどんどん出ていく。

南場:中国の企業はガッツがありますよね。

:日本企業の海外進出は30年前に始まり、こちらも蓄積があります。中国はまだ始まったばかりですから。

南場:国内市場が縮小の方向にあるので、日本の大企業が世界に目を向けているのは間違いないです。海外で収益を上げて海外で再投資をしてしまうので、国民総生産(GNP)にはなるけど国内総生産(GDP)にはならないってのを懸念する人もいますけど、私はそれでも日本の企業が世界で勝つことはすごく重要だと思います。

DeNA
南場智子(なんばともこ)/1986年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1990年、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBAを取得し、1996年、マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。1999年に株式会社ディー・エヌ・エーを設立し、現在は代表取締役会長を務める。2015年より横浜DeNAベイスターズオーナー。2019年デライト・ベンチャーズ創業、マネージングパートナー就任。著書に「不格好経営」(写真:ハイセンスジャパン提供)

世界で活躍できる人材じゃないと日本を救うことはできない時代になってくるでしょうし。いかに愛国心があっても、国に閉じている人が国を救えることはないと思うんです。

そういう意味だともっともっと世界を見据えて、世界で勝負しようというハングリーさが必要で、中国の方々のほうがずっとハングリーだと思います。スタートアップの世界でもそうです。例えばYコンビネーターというアメリカ最大のアクセラレーターは中国人や韓国人の参加がとても多いです。

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