そんなとき、中断を呼びかける人が別にいると知っていれば、安心してより深く赤ワークに入り込むことが可能になる。
目の前の作業に完全に没頭でき、より効果の高い成果、創造性に富む成果、生産性の高い成果がもたらされるだろう。それに、仕事の充実度も高まる。
現場からの中断の兆候の例とは
事前に取り決めた、明快な中断の言葉が使われていないとしても、実は中断を求められているという状況がある。
いくつか例をあげよう。
建設現場で基礎工事を担当する労働者が、「本当にコンクリートを打ち始めていいんですか?」と尋ねてきた。現場監督はどのように中断を呼びかければいいか?
ソフトウェア開発チームのプログラマーのひとりが、「この機能をつけるとテストの工程が相当複雑になります」と言ってきた。チームのリーダーはどのように中断を呼びかければいいか?
新技術を使った電気車両を製造するチームの若きエンジニアが、監督者の耳に届く大きさの声で、「この新しいバッテリーはどうなんだろう。実績値は期待したより低い」と言った。監督者はどのように中断を呼びかければいいか?
燃えさかるビルにホースを持って入った消防チームのひとりが、「この火災は何かおかしい。何が変かはわからないが」と叫んだ。チームリーダーはどのように中断を呼びかければいいか?
担当患者の様子を見てきた看護師が、看護師長に「あの患者さんの診断が正しいか気になるんです」と言った。看護師長はどのように中断を呼びかければいいか?
殺菌剤を製造する施設で、新たに1万ガロン(約3万8000リットル)ぶんの生産が開始されたとき、若手の製造ライン担当者が監督者に向かって「ここに並ぶバルブはいつもと違うものに見えるのですが」と言った。監督者はどのように中断を呼びかければいいか?
いずれのケースも、中断を呼びかけてみなの手をとめさせ、行動の赤ワークから脱するための言葉が必要とされている。その言葉が出れば、思考の青ワークに移行できる。
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