「これでいいのか」現場の警告を逃さない「声かけ」 情報を引き出す適切な言葉遣いを用意しておく

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そんなとき、中断を呼びかける人が別にいると知っていれば、安心してより深く赤ワークに入り込むことが可能になる。

目の前の作業に完全に没頭でき、より効果の高い成果、創造性に富む成果、生産性の高い成果がもたらされるだろう。それに、仕事の充実度も高まる。

現場からの中断の兆候の例とは

事前に取り決めた、明快な中断の言葉が使われていないとしても、実は中断を求められているという状況がある。

いくつか例をあげよう。

建設現場で基礎工事を担当する労働者が、「本当にコンクリートを打ち始めていいんですか?」と尋ねてきた。現場監督はどのように中断を呼びかければいいか?

ソフトウェア開発チームのプログラマーのひとりが、「この機能をつけるとテストの工程が相当複雑になります」と言ってきた。チームのリーダーはどのように中断を呼びかければいいか?

新技術を使った電気車両を製造するチームの若きエンジニアが、監督者の耳に届く大きさの声で、「この新しいバッテリーはどうなんだろう。実績値は期待したより低い」と言った。監督者はどのように中断を呼びかければいいか?

燃えさかるビルにホースを持って入った消防チームのひとりが、「この火災は何かおかしい。何が変かはわからないが」と叫んだ。チームリーダーはどのように中断を呼びかければいいか?

担当患者の様子を見てきた看護師が、看護師長に「あの患者さんの診断が正しいか気になるんです」と言った。看護師長はどのように中断を呼びかければいいか?

殺菌剤を製造する施設で、新たに1万ガロン(約3万8000リットル)ぶんの生産が開始されたとき、若手の製造ライン担当者が監督者に向かって「ここに並ぶバルブはいつもと違うものに見えるのですが」と言った。監督者はどのように中断を呼びかければいいか?

いずれのケースも、中断を呼びかけてみなの手をとめさせ、行動の赤ワークから脱するための言葉が必要とされている。その言葉が出れば、思考の青ワークに移行できる。

次ページ中断の声に対するリーダーの答え方の例
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事