日本人幹部を憤慨させた「アメリカ本社」の要求 時に「ドライすぎる」と感じる背景にあるもの
「脅し」も交えた交渉をするアメリカ企業
アメリカ企業のビジネスのやり方は日本企業のそれとは少し違っている。アメリカではビジネス上のネゴは「駆け引き」で、例えば材料費の高騰による価格交渉の場で以下のようなやり取りが普通に行われる。
サプライヤー:「部品の値上げを認めてくれないのなら製品の出荷を即停止する」
顧客:「部品の価格を低減維持できないなら次期モデルのサプライヤー候補から外す」
例えて言えば、お互いに「銃をちらつかせながら」交渉を行い、交渉の巧拙がビジネスの成否を分けるため手段を選ばない。アメリカ企業はこうした「脅し」も交えた交渉を日本の顧客に対しても行う。私がアメリカ企業の日本法人に勤務していた時も何度も経験した。
その都度、顧客との間に入って、日本式の交渉スタイル、すなわち、部品メーカーの置かれた状況を具体的な資料を示しながら顧客の納得が得られるよう説明し、理解を得て価格交渉を進めた。
日本企業の多くは長期的視点に立って、顧客もサプライヤーも相互に信頼関係を築きビジネスを行っている。例えば、サプライヤーが経営的に困った時は、顧客が積極的に支援することもいとわない。個別の交渉でもこうした信頼関係をベースに双方が納得できる結論へと導いていく。
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