日本の会社から「出禁」になったフランス人の発言 外国人が日本人と会議をするときの「あるある」

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異文化会議
(写真:metamorworks /PIXTA)
日本企業に勤めていても、海外の顧客や取引先とやり取りすることは少なくない。だが、目的が同じだったとしても、異なる文化や背景を持つ人たちが集まった場合、双方が驚く事態に発展することも……。本稿では、ドイツやフランス企業などの日本法人で26年間働いた経験を持つ筆者が、日本人と外国人が会議や交渉を行う際の「すれ違い」を解説する。

「本音と建前」は難しい

外資系グローバル企業の日本法人で働く中で悩ましいことの1つは、日本の顧客とのビジネスを開拓しようとする外資系企業の日本法人は絶えず日本の顧客と海外本社の板挟みになることだ。文化や商慣習の違いによって双方とも相手の考えが理解できず、うまくコミュニケーションができないからだ。

最初に困るのは日本人の「本音と建前」である。

日本では、あまり付き合いのない相手との会話では「建前」を多用することが多い。これは相手に対する「敬意や思いやり」あるいは「おもてなし」の心が根本にあり、ある意味で日本人の大切な文化の1つだ。

だが、こうした慣習が文化の違う外国人とのビジネスでは障害になる。私が外資系企業に勤めていたときの実際の事例を紹介しよう。海外本社の役員が来日し、初めて日本の顧客に対して新製品のプレゼンを行った際の話だ。

予定していた1時間の会議が終わろうとしたとき、日本の顧客の責任者から「御社はグローバルな企業で技術力も高いと理解している。今日のプレゼンはよかった。来てくれてありがとう」と言われた。海外本社の役員は「いい会議ができた。新製品の売り込みはできそうだ」という手応えを感じて帰国する。

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