三菱商事キーマンが語る今後のローソンとの関係 「非上場化でローソンとの距離はむしろ近づく」

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――業務提携ではなく、50%出資する「共同経営」となった背景は?

2019年12月、KDDI、ローソン、三菱商事とPontaを手がけるロイヤリティマーケティングが提携した(撮影:今井康一)

コミットメントの違いだろう。KDDIのことなので推測になるが、業務提携のままだとローソンの成長の中でそれに見合った貢献ということになるし、リターンも2.1%出資だとそれに応じたものにとどまる。

コミットを引き上げるからこそリターンも取れることになる。

――開示資料では「当初パートナー候補者」の存在が明示されています。2022年12月に協議に加わり、2023年12月に離脱していますが、事業スキームに影響はなかったのでしょうか。

KDDIとは2019年からいろんな協議をする一方、三菱商事としてはオープンスタンスで(さまざまな企業と)協業していきたいと思ってきた。今の中期経営戦略でもシェアドバリュー(共創価値)を出していきたいと言っている。

そのような発信をしている中で、共感していただけるところが自然と出てくる。それが2022年に起きたことだった。裏ではいろいろあったが、事業の絵は変わっていない。右往左往することなく、ぶれずにやってきたつもりだ。

非上場化でローソンとの距離はむしろ近づく

――将来、KDDI以外にもパートナーを迎え入れる可能性はありますか。

(新たなパートナーとして)適した方がいれば選択肢から外さないが、まずは今新しくトライしようとしている座組で頑張ってみたい。

――非上場化によって、ローソンに市場の目が届かなくなります。

そもそも三菱商事が市場の目にさらされている。もちろん、外部の声もしっかり聞くことは意識的にやっていきたい。

――ローソンとの関係に距離が生じませんか。

非上場化でローソンとの距離はむしろ近づくイメージだ。ローソンには本当にいろんな人が関わっている。例えばお弁当の工場に三菱商事が出資し、そこには三菱商事の社員もいてローソンの人たちと一緒に仕事をしている。マチカフェコーヒーも二人三脚で進めてきた。経営のスピード感も含めこうした距離感はさらに近くなる。

森 創一郎 東洋経済 記者

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もり そういちろう / Soichiro Mori

1972年東京生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。出版社、雑誌社、フリー記者を経て2006年から北海道放送記者。2020年7月から東洋経済記者。

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