三菱商事キーマンが語る今後のローソンとの関係 「非上場化でローソンとの距離はむしろ近づく」
Ponta会員が(KDDIの)auユーザーとひも付いている中で、KDDIのお客さんにさらにお得な体験を提供していければという話をしている。(日本の人口である)1億2000万人の消費者すべてにリーチすることを諦めたわけではないが、メリハリをつける。
Ponta会員などのロイヤルカスタマー(得意客)に対してデジタルで積極的にリーチして、お客さんとのコミュニケーションの中でカスタマイズされたサービスを提供していく。リモートブースを使った服薬指導などはその一例だ。
子会社化後は苦しい数年間だった
――2017年にローソンを連結子会社化して以降、ローソンの時価総額は縮小してきました。
東日本大震災の後、コンビニ各社は出店を増やした。その中で不採算店、立地に問題がある店舗も出てくる。2017年以降そうしたところの整理を一気に進めた。量から質に切り替えていったタイミングだったが、損失も発生しそれが業績や時価総額にもつながって、苦しい数年間だった。
(店舗の整理が終わり)いよいよ攻めに転じるという2020年に、今度はコロナ禍となり復活が遅れた。ただ、2017年からしっかりと地盤を固めた結果が、2023年以降の業績回復につながっている。
――市場からはローソンの資産効率改善が求められていました。社内ではどのように議論していたのでしょう。
(三菱商事としては)ローソンの資産効率は当然上げていきたい。そのために何ができるかはつねに考えている。ただ、2017年の子会社化以降、われわれ三菱商事からの出向社員はローソンをよくすることに集中した。
その流れの中で、2019年からKDDIと議論してきた。もちろん当時から今回のような(共同経営の)形を見据えていたわけではない。ただ、つねにローソンにとって一番いいのは何だろうと考えたとき、三菱商事が1社で独占支配するのが唯一の解だとは思っていなかった。
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