「偏差値40未満→難関校」も!中受の変化の実態 受験環境や入試内容は大きく変化している

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この変化を受けて、早稲田アカデミーでは2020年にSTEM教育プログラム「CREATIVE GARDEN」という講座をスタート。個別指導のユリウスはロボットプログラミング講座を開き、四谷大塚を運営するナガセは2022年に「CodeMonkey」という学習ソフトを使ったプログラミング講座を開設しました。

このように、30年前と今では入試制度が変わってきています。

これらは偏差値にこだわらない志望校選びをする人にとっては、受験科目の選択肢が増え、好ましいことだと思います。

新傾向入試で問われる能力は、大手塾に通わなくても、それぞれ専門のスクールに通って高めることができます。そして、身につけたプログラミングやプレゼンのスキルは、今後社会に出たときに大いに役立ちます。

探究する姿勢を身につけ、思考力を高めて、プログラミングができて、仲間と協働して、プレゼンができたら、この令和の時代、やりたいことはたいていかたちにすることができます。国語、算数、理科、社会の勉強はもちろん意味があるものですが、新たなジャンルに取り組むのも自分を生かす道です。

入試問題の変化1 時事問題の増加

入試問題の中身も変わってきています。30年前は「時事問題を出す学校がある」くらいだったのですが、今では、約8割の学校が時事問題を出しています。しかも、小問として1問だけ出題というのではなくて、大問丸ごと時事問題というケースも目立つようになりました。

受験生にとって時事問題がやっかいなところは、通常のテキストで勉強しているだけでは解けるようにならないことです。そこで、中学受験をめざす子は、小4、5くらいになったら子ども向けの新聞を読み始めることをおすすめします。

いろんな新聞社から子ども向け新聞が出ているので、比較してから定期購読するといいですが、慣れないうちは『読売KODOMO新聞』(読売新聞社)だとハードルが低くおすすめです。1週間に1日の発行なので、読まないうちに溜まってしまうことが避けられますし、四谷大塚監修の受験生向け問題なども掲載されています。

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