「偏差値40未満→難関校」も!中受の変化の実態 受験環境や入試内容は大きく変化している

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私が塾講師デビューをした約30年前は、中学受験をするなら、小4の2月、つまり新小5からの入塾が一般的でした。でも今は小3の2月、つまり新小4からの入塾が一般的です。さらに、小学1年生から生徒を受け入れる塾が大半です。

これは、ある大手塾一社が小2から生徒を募集すると、それまで小3から募集していた塾が「成績優秀層を他塾に取られる前に、うちも小2から募集しないと!」と考えて小2からの募集を始める。すると、また別の塾が「それならうちは小1から募集して、成績優秀層を集めよう」と考えて小1からの募集を始め、ほかの塾も小1からの募集を始める……という流れになって、どの塾も低学年から生徒募集をするようになったわけです。

少子化という背景もあります。子どもの数が減っているので、塾生数、売り上げを確保するには、対象年齢を下げて補うしかないという事情もあるのです。その結果、「SAPIXに入るなら小1から入らないと満席で入れないらしいよ」という噂が広がるまでになっています。

私は、低学年から塾通いをすることを否定はしません。ただし、子どもがまだ塾に通う準備が整っていないうちに入塾するのはおすすめできません。

低学年のうちはいろいろな体験をして、運動をして体力をつけ、勉強習慣をつけて基礎学力を身につけるほうが優先度が高いからです。子どもがまだ塾に通いたいという気持ちが高まっていないのに、親の気持ちが先行して塾に入れるのはおすすめしません。

「啐啄の機」という言葉があります。ひな鳥が卵からかえるときに、ひな鳥が内側から出ようとするタイミングに合わせて、母鳥が卵を外からつついて殻を割ってやるのと同じように、子どもに何かしてあげるには、してあげるタイミングを見極めるのが大事です。

塾の勢力図の変化

30年前、首都圏で中学受験塾といったら日能研、日曜にテストを実施する塾といったら四谷大塚でした。四谷大塚のテストを受けるためには「会員」「準会員」になる必要があって、そのための勉強を栄光ゼミナールなどのほかの塾でするのが主流でした。

そして、現在、「トップをめざすならSAPIXでしょ!」というのが、あたかも常識であるかのようになっています。当時は主流ではなかった塾がトップに君臨しているわけで、塾の勢力図自体が変わったといえます。

SAPIXというのは、TAP進学教室という塾をやめた幹部たちが1989年につくった塾です。今や40以上の校舎ができて、東京校や自由が丘校のような大規模校舎だと、20クラス以上も設置されているという大盛況ぶりです。

そんなSAPIXを筆頭に、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研の4つの塾が、首都圏4大塾と呼ばれていて、そこに、 SAPIXをやめた幹部たちがつくった塾、Gnobleが難関校の合格実績を出す塾として続いています。

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