「偏差値40未満→難関校」も!中受の変化の実態 受験環境や入試内容は大きく変化している

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小6になったら毎年10・11月に各出版社から出版される時事問題用の本を手に入れて勉強するようにしましょう。

入試問題の変化2 資料読み取り問題の増加

現在の入試問題は、資料読み取り問題が多いです。

昔は「読解力」といえば「文章を読んで理解する力」でしたが、今は「図表や資料が示している意図を読み取る力」も読解力に含まれます。最近は特に資料読み取り問題が多くなりました。

このような問題が多くなったのは、「大学入試センター試験」にとってかわった「大学入学共通テスト」の影響です。大学入学共通テストの「対話文」と「資料」の組み合わせ問題に、中学入試問題も寄せてきているのです。

資料読み取り問題を解くうえで必要なのは、どういう見方をすればその資料の意図することが見えてくるのかを、資料をじっくり読んで考えていくことです。

この力をつけるために、おすすめなものがあります。学校の授業で一回も使われることがないままその存在が忘れられがちな副教材、社会や理科の資料集がありますよね。じつはあの資料集、かなり優れもので、忘れ去ってしまうのはもったいないです。

休憩時間などに眺めて「なんでこれはこうなってるんだろう?」と考えると、資料読み取り問題にも強くなっていきます。掲載資料の近くに解説も付いているので、それも併せて読むと、より深い理解が得られます。

入試問題の変化3 文章の長文化

いわゆる「難関校」と呼ばれる学校の国語の入試では、平均すると本文が約8000字にもなります。8000字というのは、原稿用紙にして20枚分。対して、小学6年生の学校の国語のテストの文字数が800字くらいなので、難関校の国語の入試問題の文章量は学校のテストの10倍近いです。

国語の入試問題は本文だけではなくて、問題文、特に選択肢問題のような文章量が多い問題もあります。それら問題文の文章も含めると、文章量が1万字を超える学校も珍しくありません。受験生は50分程度の制限時間内に、本文を読んで、問題を読んで、問題の答えを考えて、答えを解答欄に書く必要があるわけです。

……という話を聞いて、「それは大変! 速読即解、速く読んで速く解けるようにしないと!」と考え、子どもにスピードを求めると、ただ文章を読み飛ばして感覚で解くだけになって、かえって読解力がつかずに点数が下がっていくことになりかねません。

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