中学受験者数増加の背景にはさまざまなからくりがある。
何が何でも中高一貫校――。首都圏では小学校6年生の児童数が大きく減る中、中学校の受験者数が過去最多を更新しそうな勢いだ。なぜなのか。
『週刊東洋経済』2月3日号の第1特集は「過熱! 中学受験狂騒曲」。パニックの様相すら呈する中受のリアルを追う。
「今、首都圏に私立中は約二百校。定員約三万五千人に、受験生は約五万人。東京都内の小学生は四人に一人が受験するという」
これに違和感を覚える人は、相当の中学受験事情通だ。2024年現在の話ではない。講談社『NEXT』1992年4月号からの引用なのである。
現在首都圏に私立中は約300校ある。首都圏模試センターによれば、23年の首都圏での中学受験者数は約5万2600人、私立中の総定員は4万8294人。下図は首都圏模試センターの経年データ。1991年には受験者数が約5万1000人であったことがわかる。
全入時代が長かった
およそ30年前と現在とを比較してみると、受験者数はほぼ変わっていないのに、学校数は約1.5倍、定員数は1.38倍に増えている。総合格率は、30年前の約70%から23年の約91.8%へと、大きく改善している。
しかも、コロナ禍が始まる直前の19年の合格率(男女計)は約100.1%、17年は約109.8%で、実は中学受験も長く全入時代だった。
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