宇樹科技の開発チームは、創業時から蓄積した4足歩行ロボットのノウハウと最新のAI技術を融合させることで、H1の開発を約半年という短期間で成し遂げた。ハードウェアに関しては人型ロボットも4足歩行ロボットも共通点が多く、運動制御のアルゴリズムも流用可能だったため、開発を効率的に進められたという。
同社は2023年後半に少数のH1を生産し、すでに顧客に納入した。王氏の説明によれば、現在の人型ロボットはまだ(将来の普及に向けた)初期段階にあり、顧客のニーズは学術研究目的や工場での(導入可能性を探る)テスト運用などがほとんどだ。
歴史をさかのぼれば、人型ロボットの研究開発は1970年~1980年代から続いてきた。しかし現実味を伴って注目を集めるようになったのは、ここ数年のことだ。なかでも、アメリカのテスラが2022年9月に発表した人型ロボット「オプティマス」は世界的な反響を呼んだ。
技術的課題は「5年以内に克服」
それが刺激になり、2023年からは中国でも人型ロボットの発表が相次いでいる。宇樹科技のH1のほか、スタートアップ企業の達闥機器人(ダター・ロボティクス)が開発した「XR4」や、新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)が発表した「PX5」などが代表例だ。
「人型ロボットの進化を制約しているのは、ハードウェアでもコストでもない。AIの能力と汎用性がまだ必要十分なレベルに達していないことだ」
王氏はそう語り、人型ロボット開発の将来について次のように予想した。
「私は(AIのさらなる進化を)楽観的に見ており、早ければ2年から3年で(人型ロボットの)技術的課題を克服できる。遅くとも5年を超えることはないだろう」
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は2月23日
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