「日本の水産物」中国向け消失も"輸出増加"のなぜ ホタテや他の魚種はその後どうなったのか?

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しかしながら、ノルウェーからベラルーシ向けに輸出された数量の推移を示した次のグラフをご覧ください。ノルウェーからのベラルーシ向けはクリミア半島併合前の2013年には2.1万トンから2017年には4.8万トンに増加しました。

ところが2023年は1.4万トンと併合前の数量さえ下回っています。迂回ルートなしでも、水産物は世界各国で十分消化されているということなのです。

中国の魚介類輸入量はどうだったのか?

中国の輸入数量を見てみましょう。日本からの水産物輸入を停止した2023年の輸入数量は、日本からの輸入を8月から停止しても、467万トンと過去最高数量を更新しています。日本食レストランでの日本食材不足がクローズアップされていました。ところが全体数量でみれば、中国側は日本からの輸入が止まっても数量面では問題なしで、右肩上がりに輸入数量が増加していることがグラフからわかります。

中国の水産物輸入はもともと自国消費が主ではありませんでした。日本を先頭に欧米諸国が、水産原料を持ち込み水産物の加工場として利用していたのでした。商社側がノルウェーなどから原料を持ち込み、加工賃を中国側に支払って製品を再輸出するというパターンでした。

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