勉強をしない中学生が変わる「3つのステップ」 反抗期は対応を変えてほしいというメッセージ

✎ 1〜 ✎ 235 ✎ 236 ✎ 237 ✎ 最新
拡大
縮小

今、久村さんがお子さんに語っている内容は、ある種の忠告的要素をもった「説教」と考えられます。学校の先生が言っている内容もその範疇に入ると思いますが、残念ながら、説教のような言葉を子どもにかけてもまったく意味がないのです。なぜなら、当たり前のことを言っているにすぎないからです。

例えば、「手洗い、うがいをしないから風邪ひくんでしょ!」「夜遅くまでゲームをやっているから、朝起きられないんでしょ!」も同様です。子どもはそんなことはわかっていて、それができないから困っているのです。ですから子どもがわかりきったことを言っても響かないのは当然です。

響かないだけではなく、このような状態が続くと、今後次のような展開になっていきます。

親はさらに何度もしつこく言うことでやらせようとします。時に大きい声で、時にきつい口調で。すると子どもは、うんざりとしてきます。「そこじゃない」と心の中で感じていても口にはしません。自分の気持ちを適切な言葉を使って表現するだけのボキャブラリーと表現力がまだないからです。

それ、本当に「反抗期」ですか?

子どもの中には、諦めて嫌々ながらやる子もいます。すると親は、「やっぱり子どもには何度もきつく言い続けないとやるようにならない」と受け取ります。すると、今後もこの“フォーマット”をたびたび使っていきます。すると、思春期を迎えた頃に子どもが“爆発”していきます。それを親は、「反抗期」と名づけます。「うちの子、反抗期で大変なのよ」と、まるで子どもに問題があるかのような発言をし、さらに親子関係が悪化するケースもあります。

反抗期とは、「今までとは対応を変えてほしい」という子どもからのメッセージです。今までは、嫌々ながらも親の言うなりにやっていたけども、いいかげん堪忍袋の緒が切れたとばかりに“爆発”する状態が、大人たちが言う反抗期の実態です。

このように、当たり前のことを言い続け、子どもに問題があると考えているうちは、残念ながら、今のループから抜け出ることは容易ではありません。

次ページ子どもが自主的に行動していく3ステップ
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT