才能とは何だろう
まず、才能=タレントという言葉の意味するところが何かはっきりさせなければならない。一般に才能という言葉は、卓越した業績やそうした業績を上げる人を表現するため用いられている。
「メジャーリーグのレッドソックスの外野手にはタレントがいる」という表現をした場合、レッドソックスにはよい外野手がいるというだけの意味だ。ビジネスにおいてよく話題になる「タレントの争奪戦」という言葉は、より実績のある人材を引き抜こうとしていることを表している。
テレビ業界では、タレントというのはカメラの前に立つ人のことをいう。テレビタレントとよくいうがテレビをよく見る人であれば、誰でもこの場合タレントという言葉は単に中立的な意味であり、評価判断が入っていないことを知っている。
以上の意味はどれも決定的に重要なものではない。しかし、この言葉が人生のコースを変えるような意味合いで使われるときには、生まれつきの能力で他の人より何か特定のことがうまくできることを意味している。しかも、かなり特定された何かである。
たとえばゴルフをする、ものを売る、作曲する、組織においてリーダーシップをとるといったことだ。そして、それは開花するより比較的早い時期に見いだされなければならない。それは生まれつきの能力で、もし生まれつきに持ち合わせていなければ、後天的には身につけることはできない。
この定義での才能は、ほとんどすべての分野で存在すると固く信じられている。音楽やスポーツ、チェスなどの競技での会話を注意して聞いてみればいい。才能という言葉を使わずに2つ以上の文章を話すことは難しいことがわかるはずだ。こうした見方は他の分野でも珍しくはない。
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