『君の膵臓をたべたい』は、膵臓の病気を患うヒロインとの悲恋が描かれた住野よるの作品で、映画化もされ大ヒット。その作品構造は、確かにブルーライト文芸の通りだ。
また、『君の名は。』は、その「エモい」と言われたポスタービジュアルで大きな反響を呼んだ。たしかに、映画ポスターは青く、逆光も相まってキラキラしている。
このポスターが多くの人に認知され、特に若年層の人気を得たことで、こうした文芸作品の表紙が若者受けする「青い」表紙になったという経緯もあるだろう。
こうしたヒット作が内容とビジュアルの両面から後押しして、「ブルーライト文芸」というフォーマットが生まれていった。
「ケータイ小説」「ライトノベル」という2つの潮流
これらのヒット作の影響が決定的だったとはいえ、ブルーライト文芸には、そこに至る歴史的な流れがあった。ペシミ氏によれば、「ブルーライト文芸」に分類される作家たちの系譜を見ると、そこには2つの潮流があるという。
「1つが、『恋空』や『Deep Love』で知られるスターツ出版が得意とした、ケータイ小説からの流れです。こちらは主に女性読者を対象としています。2つ目が、男性読者を対象としていたライトノベルからの流れです。
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