青くてエモい「ブルーライト文芸」大ブームの理由 「田舎の夏、ヒロインが消える」物語なぜウケる?

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ペシミ氏がこのように名付けると、文芸ファンの間でこの名称が話題となり、にわかに「ブルーライト文芸」が一つのジャンルとして認知され始めるようになった。

「ブルーライト文芸」とのツイート
ペシミ氏が最初に「ブルーライト文芸」について触れたツイート。以降、ライトノベルやライト文芸好きの中で、徐々に認知を獲得していった(2021年5月24日/@kansyomazo/大阪大学感傷マゾ研究会)

ブルーライト文芸に分類できる作品を出版しているレーベルは、KADOKAWAメディアワークス文庫やスターツ出版文庫、集英社オレンジ文庫など多様だが、表紙の類似性だけでなく、話のパターンも似ていることにペシミ氏は注目している。

「ブルーライト文芸には典型的な話のパターンがあります。ヒロイン(や恋人、想い人)と出会い、最後に消失するということです。また、最近の作品ではそこまで露骨ではありませんが、『田舎』や『郊外』の『夏』を舞台にしがちであるという共通点もありました」

書影
『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』(amazonより)

中高生を中心に人気となり、ライト文芸コーナーでもよく見かける『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』のあらすじを簡単に紹介しよう。

主人公の輝彦は、ある日、クラスの人気者である香織から自分の専属カメラマンになるように言われる。突如として始まった撮影生活は香織の自由な性格もあって大変なものになる。しかし、あるとき、輝彦は彼女が重い病と闘っていることを知り……。

最終的にヒロインの香織は病気のために亡くなってしまうのだが、これが「ヒロインの消失」だ。他の作品でも、ヒロインが何らかの病気にかかっていることが多く、しかも最後にはヒロインが死んでしまうことが多い。

『キミスイ』『君の名は。』のヒットが方向性を決めた

ぺシミ氏はこうした一連の作品の方向性を決定づけた存在として、話の内容で言えば2015年の『君の膵臓をたべたい』、ビジュアル面で言えば2016年の『君の名は。』の存在を挙げる。

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