「恋空」のスターツ出版がスゴいことになっていた チームで作る穏やかな風土で、売上が5年で5倍超に

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「ケータイ小説ブーム」を生み出した「スターツ出版」が、今再び、「青くてエモい本」で注目を集めている。同社の業績も、右肩上がりで急成長中だ(撮影:梅谷秀司)
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2006年に出版され、大ヒットしたケータイ小説『恋空』。もともと、携帯の投稿サイト上で書かれた作品を書籍にしたものだが、当時、250万部を超える大ベストセラーとなった。

勃興するブルーライト文芸
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この『恋空』を出版し、「ケータイ小説ブーム」を生み出した「スターツ出版」が今、ヒット作や話題作を立て続けに送り出して、注目を集めている。

特徴的なのが、現役中高生からの圧倒的な支持。「スターツ出版文庫」はTikTokを中心にSNSで多く紹介され、「エモくて泣ける本」の代名詞となっている。

「勃興するブルーライト文芸」と題し、新たなムーブメントの誕生を追う本連載。第3回は、このムーブメントを牽引している、スターツ出版の代表取締役社長である菊地修一氏へのインタビューをお届けする。

中高生からの熱烈な支持で、3年連続でミリオンヒット

――まず、スターツ出版の歴史について教えてください。

菊地:スターツグループは、今年で創業55周年の総合生活文化企業グループです。

菊地修一(きくち・しゅういち):1960年4月生まれ。1984年株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社、2001年住宅情報編集長に就任、2003年スターツ出版入社、事業企画部長、2004年代表取締役社長に就任(撮影:梅谷秀司)

グループ全体の核は不動産業ですが、創業者であり現・会長の村石久二の「ペンを持つ企業をつくりたい」という思いのもと、スターツ出版は、文化事業を担う会社として41年前に創業しました。グループ93社の中では3番目にできた歴史がある企業ですね。

もともとは、スターツ創業の東京都江戸川区で発刊した地域情報誌「アエルデ」から始まり、女性誌「OZmagazine」や、東京メトロ駅構内で無料配布しているフリーマガジン「メトロミニッツ」などを発刊して現在に至っています。ですから、当時は書籍をあまり作っておらず、編集者も数人しかいなかった。

一方で、これから出版は厳しくなると思い、レストラン・トラベル・ビューティサロンがWeb予約できる「OZmall」という女性向けサイトを自社開発し、運営しています。

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