「飯田商店」食べる前から私が"感動"した理由 「らぁ麺」美学、哲学、ここに極まれり!

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飯田商店の厨房
飯田商店の厨房の様子(写真:山本益博)

海苔へのこだわり

注文したのは「醤油らぁ麺」。目の前に運ばれてきたどんぶりを見ると、スープと麺と具が見事にデザインされていて、どんぶりをもってスープをひと口含むと、「醤油」のかぐわしい香りが凛と立ち上がって鼻をくすぐり、ストレート麺の柔らかな味にスープが優しく寄り添い、チャーシューの脂身がことのほか甘く、それはそれは「優美」な一杯だった。

ただし、海苔だけが気になった、と言うより、気に入らなかった。上質の海苔の端がスープに浸され、香りも味も台無しだったからである。

海苔の決め手は「色、艶、香り、薄さ、口溶け、味わい」と六つある。これが楽しめなかった。

素晴らしく美味しかったのだが、大満足とはいかなかった。その後、Facebookだったか、「海苔」を佐賀産の最上等のものを仕入れることができたという記事を拝見した。これを読んで、再び「飯田商店」へ出かけたくて仕方なかったのだが、昨年暮れに再訪が実現した。

「塩らぁ麺」
「塩らぁ麺」も「極上の一杯」であった(写真:山本益博)

券売機で買ったのは「塩らぁ麺」で、目の前に現れた「塩らぁ麺」には、なんと「海苔」が添えられてなかった!

続いて運ばれてきた、同席してくれた友人が注文した「醤油らぁ麺」には、「海苔」が添えられていて、なんと、その「海苔」がどんぶりの縁とどんぶり中央に盛り付けられたねぎとの橋渡し状態になっていて、スープの湯気には当たるものの、浸かってはいないではないか!

飯田さんの「らぁ麺」美学、哲学、ここに極まれり! と、「海苔」へのリスペクトに、食べもしないのに感動してしまったのである。

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