「ひとり言」をつぶやく人ほど自己肯定感が高い訳 驚きの「脳と言葉の活性効果」を専門医が解説

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「自分は必ずできる」、「自分は絶対に曲がったことはしないぞ」。
言葉には言霊がありますから、「自分は○○だ」、「自分〇〇できる」といった自己規定の言葉を発したとたんに、不思議に自分自身がその方向に向かっていくようになります。

決意を込めたひとり言の効果

このことは、「目的」や「目標」を設定する際にも力を発揮します。

「必ず合格してみせる!」、「今年こそは、絶対いいパートナーを見つけよう!」。

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こうした決意を込めたひとり言は、自分の意識を大きく変えます。目的意識が強くなり、自然と行動がその目的や目標に向かうようになるのです。

私たちの脳は思考や記憶、感情や運動など、それぞれの得意分野に分かれています。

なぜそういう区分けができたかというと、そもそも思考や記憶をするため、感情を働かせるというように、目的に対応するために脳が形作られてきたという経緯があります。

つまり、脳自体が最初から目的達成のために作られた器官なのです。

ですから、脳自体が生産的な活動を行うには、「目的」というものが不可欠なのです。

逆に言えば、目的があれば、脳は1つにまとまって、一気にそれに向かって動き出すわけです。そのきっかけが「ひとり言」であり、言霊を持った言葉そのものだということです。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)など著書多数。

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