ふだん私たちは、家庭や職場などの環境や人間関係の中で、さまざまな状況にさらされます。その中で多くの刺激を受け、情報をインプットし、それに対する反応やアウトプットを行います。
計画を立てたり、企画を考えたり、研究したり、文章を書いたりするような、創造的な作業に没頭することもあるでしょう。
その際、脳は刺激を受け、さまざまに活動します。その結果、私たちの脳の中には各種さまざまな言葉や情報、イメージが生まれます。意識に昇ってくるものもあれば、無意識の中でうごめいているものもあるでしょう。
ひとり言は、そういう混とんとしたカオスのようなものを整理し、自分の中で価値づけし、意味のあるものに変換する、「思考の動き」そのものだと考えます。
たんなる“うわごと”ではない
これを「右脳」と「左脳」の働きで説明すると、脳の中には右脳が司るイメージやインスピレーションといった「非言語的」な情報と、左脳が司る「言語的」な情報があります。
それらをひっくるめて、左脳の思考作用によって情報を整理・選択し、結び付けたり変換したりしてアウトプットにつなげる、ということになります。
ちなみに、思考作業は基本的には「言語」によって行われます。論理的な思考を行う際、私たちの左脳を中心にして、脳内には言語が飛び交っている状態になるわけです。そのときの思考が、口をついて言葉になって漏れ出してきたものが、ひとり言だと考えていいでしょう。
どうでしょうか? 「ひとり言」はたんなるうわごとではないことがわかっていただけると思います。それは脳の思考の働きそのものであり、創造的で生産的な脳の働きが、言葉になって飛び出してきたものなのです。
ですから、ひとり言には「意味」と「価値」があるのです。ひとり言に注意を向けることで、自分自身の思考の動きを知るヒントになるのです。
■ひとり言で気持ちを上げる
また、ひとり言には自分の気持ちを鼓舞して、やる気を出させる力があります。「頑張るぞー!」、「絶対できる!」。言葉にして出すことで、一種の自己暗示にかけるわけです。
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