「出世渇望する男性描く」清少納言の共感呼ぶ文才 「春はあけぼの」だけではない日常描いた文章

清少納言を猛烈批判した紫式部
平安時代中期の『源氏物語』の作者・紫式部は、同時代に生きた女性歌人の清少納言を自身の日記の中で批判していました。
清少納言の性格を「得意顔でとんでもない人だったようですね」と非難し、作品や能力を「利巧ぶって漢字を書き散らしている」「学識がまだまだ足りない」などと、強い言葉が並べられています。
しかし、清少納言が書いた随筆『枕草子』は、紫式部の『源氏物語』と並び、今も教科書などで取り上げられるほど有名で人気の作品です。
『枕草子』の冒頭は、学校の古典の授業で大半の人は習ったはずです。
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこし明りて……」。この一文を暗誦できる人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、学校の古典の授業では、『枕草子』だけに限らず、書かれている一節をサラサラと読んで、教師が中身を解説し、それを何周か繰り返したうえで、「はい、では次の作品を学びましょう」となってしまうことが大半だったと思われます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら