「出世渇望する男性描く」清少納言の共感呼ぶ文才 「春はあけぼの」だけではない日常描いた文章
「ちょっとくらい、そういうところに、行ってもいいじゃないか」と清少納言は言うのでした。なんと理解がある平安女性でしょうか。
修験者ともなると、更に苦しそうに見えると清少納言は書いています。疲れて居眠りしていても「居眠りばかりしおって」と文句を言われるからだと言います。
清少納言の文才が垣間見える
「身の置き所がなく、どんなにつらいだろう」と同情しています。しかし、最後の一文には、どんでん返しの一言も書かれています。
「ただし、こんなことはもう昔のことのようだ。今は、ひどく気楽そうだ」と。この落差といいますか、どんでん返しの展開もある、清少納言の文才。なかなかのものと感じるのは、私だけでしょうか。
(参考文献)
・石田穣二・訳注『新版 枕草子』上巻(KADOKAWA、1979)
・渡辺実・校注『枕草子』(岩波書店、1991)
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