「休み下手な日本人」には"休養学"が本気で必要だ 「休む=怠ける」という偏見をまず捨てるべきだ

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疲労は気分も落ち込ませるが、システマティックにレコーディングすることができれば気持ちも楽になるに違いない。

疲労で休むのと仮病とは違う

休むことに罪悪感があるという方も多いだろうが、休むことと怠けることは根本的に違うと著者は断言している。

たしかに本書でも繰り返し強調されているとおり、疲労とは活動能力が低下している状態にほかならない。

健康なら出せるパフォーマンスが100%出せない状態が疲労であり、そのせいで休みたいのであれば、それを仮病とはいわないのである。

これまで私たちは多少なりとも、「疲れていても無理をするのが社会人としての責任」だと思ってきたのではないだろうか?

だが、これからの時代に求められるのは、疲労をこまめに完治してこまめに対策を打ち、「疲れていないベストな状態」で仕事をすること。それこそが、社会人としての責任なのだと著者は述べている。

それでも「休んではいけない」という思いから逃れられないのであれば、次のように考えてみればいいそうだ。

会社は100%のパフォーマンスが出ることを期待して自分と雇用契約している。70%とか50%のパフォーマンスしか出せないのに出社するということは、契約の不履行になりかねない。(209ページより)

だとすれば有給を消化してでもしっかり休みをとり、100%の力が出せる状態で会社に行くことこそが会社のためになるという考え方である。

なるほどそのとおりだし、そう考えれば休むことへの罪悪感を払拭することもできるだろう。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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