インテル「TSMC追撃」150兆円目指す半導体市場 ゲルシンガーCEOが高らかに宣言した「新戦略」
「2030年までに半導体受託製造で業界2位になる」。Intelのパット・ゲルシンガーCEOは、2月21日(アメリカ時間)にアメリカ・サンノゼ市で開催した「Intel Foundry Direct Connect 2024」の会場に詰めかけた半導体業界のリーダーたちに向かって、そう高らかに宣言した。
ゲルシンガーCEO帰任で大きく変わった
Intelはそのゲルシンガー氏が、2021年にCEOとしてIntelに復帰して以降、矢継ぎ早に新戦略を打ち出して、2010年代に停滞してきたIntelの姿を大きく変え始めている。その根幹となっているのは同社が「IDM 2.0」(アイディーエムツーポイントオー)と呼んでいる新戦略で、従来は同社の社内事業向けだけに半導体を製造してきたIntelの半導体工場を、NVIDIAやQualcommといった競合他社も含めたファブレス半導体メーカーに開放し、「規模の経済」の半導体製造ビジネスで規模を追求して、TSMCやSamsung Electronicsといったファウンダリ競合他社に肩を並べていくことを目指す。
半導体産業は2030年までに約1兆ドル(日本円で約150兆円規模)になると予想されており、その産業の米と呼ばれる半導体を潤沢に提供するサプライヤーへビジネスモデルを転換することで、すでに巨大企業になっているIntelを再び大きく成長軌道に乗せるのがIntelの戦略だ。
Intelが急成長を遂げる企業だったのは、創業者たちが活躍していた時代だったということに異論を挟む人はいないだろう。Intelは1968年に、当時シリコンバレーで最先端を行く半導体メーカーだった「フェアチャイルド・セミコンダクター」に務めていたロバート・ノイス氏、後に半導体業界の経済原則として知られるようになる「ムーアの法則」を提唱したゴードン・ムーア氏の2人により設立された。その2人にやや遅れて参加した、アンドリュー・グローブ氏をいれて、3人がIntel創業者3人衆とされているのがIntelの公式社史だ。
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