インテル「TSMC追撃」150兆円目指す半導体市場 ゲルシンガーCEOが高らかに宣言した「新戦略」

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Intel Foundry Direct Connect 2024にビデオ出演したMicrosoftのサティヤ・ナデラCEO、Intelファウンダリを利用する計画を発表(筆者撮影)

マイクロソフトもIntelファウンダリの利用を表明

今回のIntel Foundry Direct Connect 2024で、Intelのパット・ゲルシンガーCEOは2030年までにファウンダリ事業で、TSMCに次いで業界2位になることを目指すという目標を明らかにした。現在のところファウンダリ市場は1位がTSMCで、2位がSamsungだとされている。つまり、2030年までにSamsungを追い抜き、トップのTSMCに迫る、それがIntelのターゲットだ。もちろんその先にはTSMCに追い付き追い越すことが目標となるのは言うまでもないだろう。

今回Intelは2030年の半導体市場のTAM(Total Addressable Market、潜在的市場規模)を1兆ドル(日本円で約150兆円)と見積もっていることを明らかにしている。そうした市場規模の拡大に合わせてファウンダリの事業も成長していき、まずはSamsungを2020年代中に追い越し、2030年代以降にTSMCに迫るというのがIntelの描いているストーリーだと言える。

Intelはすでスマートフォン向けSoCでトップシェアの台湾MediaTek、Wi-Fiやイーサネットなどに強みを持つアメリカBroadcomなどと契約したことを明らかにしてきたが、今回のイベントではMicrosoftのサティヤ・ナデラCEOがビデオ出演し、MicrosoftがIntelファウンダリを利用して半導体を製造する計画であることを明らかにした。

Microsoftは自社ブランドで、データセンター向けのArm CPU、AIアクセラレーターなどを自社設計してTSMCで製造している。ほかにも、ゲーミングコンソール「Xboxシリーズ」向けはAMDに設計を委託し、自社ブランドPCのSurfaceシリーズ向けにはQualcommに設計を委託している。

その意味で、多数の自社ブランド半導体を持っており、そのMicrosoftがIntelファウンダリの活用を明らかにしたことは大きなインパクトがあり、Intelファウンダリの利用を躊躇しているIntelの競合他社などにも影響を与える可能性が高く、Intelにとっては大きなターニングポイントになっていきそうだ。

笠原 一輝 テクニカルライター

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かさはら かずき / Kazuki Kasahara

PCのライターとしてキャリアをスタートし、現在はPC、スマホ、自動車、AIの半導体などを中心に取材して幅広い媒体でニュース記事や解説記事などを執筆している。

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