インテル「TSMC追撃」150兆円目指す半導体市場 ゲルシンガーCEOが高らかに宣言した「新戦略」

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パット・ゲルシンガーCEOが手に持つ半導体は、Intelファウンダリの主力製造技術になると見られているIntel 18Aを利用して製造されている(筆者撮影)

新工場を建設し、投資を進める

Intelは、そうした戦略転換を決めて以来、着実にIntelファウンダリの実現に向けて布石を打ってきた。例えば、アメリカのオハイオ州、そしてアリゾナ州、イスラエル、ドイツに新しい工場を建設すると決め、多大な投資を行ってきた。こうした影響もあり、かつては60%を超えていた営業粗利益率(Gross Margin)は30%台まで落ち込んでいる。巨大工場の建設という多大な投資を行っている反動とみられるが、それでも株主から不満の声は上がっていない。ゲルシンガーCEOの投資が多大ではあるが、未来に必ずリターンが大きな投資であると見なされているからだろう。

そして、TSMCやSamsungに比べて遅れていた、製造技術の開発もキャッチアップが進んでいる。2月21日(アメリカ時間)にIntelがサンノゼで開催した「Intel Foundry Direct Connect 2024」では、これまでIntelが実行してきた「4年で5ノード」という意欲的な製造技術のロードマップが予定通り実行されており、本年の末までに競合他社が実装できていない「PowerVia」と呼ばれる最新技術を採用した「Intel 20A」、「Intel 18A」の製造を開始する予定であることを明らかにした。これはTSMCやSamsungなどでは3nm、2nmと呼ばれている製造技術に相当するもので、これまで両社に後れを取っていた製造技術面で追い付く形になる。

Intelが公開した製造技術のロードマップ、2020年代後半にTSMCを追い越すことを狙っている(筆者撮影)
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