「10年以内に販売台数100万台超えを目指す」--富士重・吉永社長インタビュー
−−中国進出は最後発になる。
米国進出も最後発だった。日本から完成車を輸出し、一定の販売規模を確保してから、現地生産する。きちんと段取りを踏む。スバルの販売は65万台規模。どんどん出て行く会社ではない。
今後も日本からの輸出は続ける。そこに現地生産した車を安価で売る。輸出車にはメイド・イン・ジャパンの価値があり、食い合う話ではない。現地の合弁相手とは販売面でも協力していく。
−−北米市場では、東海岸に販売が偏っている。
北米では主力車種「レガシィ」を大型化したことが受け入れられている。もともとスバルはSUV(多目的スポーツ車)に強いが、市場が大きいのはセダン系。レガシィに続き、セダン車種をどう伸ばすかが課題だ。
北米の販売店は620店。総数に変化はないが、米GMの販売縮小による鞍替えなどで、実は3~4割が入れ替わっている。これにより販売の取り組みが格段に向上した。これは大きな財産。特に西海岸を意識的に攻める計画はない。
−−トヨタとの提携に変化はあるか。
一言で言えば従来通り。共同開発車などで具体的な成果を出していきたい。今後もウィン・ウィンの関係を続けられればいい。
−−トヨタからシステム供給を受けて、13年にハイブリッド車(HV)を投入する。
スバルの特徴である水平対向エンジンとの組み合わせになる。開発コンセプトは「走りの良いHV」。燃費だけを求めれば、すべて「プリウス」と同じ形になる。販売台数の規模は今後詰める。中計の中ではHVで何台という組立はしていない。