「10年以内に販売台数100万台超えを目指す」--富士重・吉永社長インタビュー
富士重工業は7月6日、向こう5年間の中期計画を発表した。最終となる2016年3月期に世界販売90万台(11年3月期実績65.7万台)、営業利益1200億円(同841億円)を目指す。
会見で吉永泰之社長は「10年以内に販売台数100万台超えを目指す」と語り、今回の中計をその基礎固めと位置づけた。
台数増の牽引役となるのは米国と中国だ。16年3月期に北米で38万台(同31万台)、中国は18万台(同6万台)を目標にした。一方で、中国戦略の”目玉”となるはずの現地メーカーとの合弁会社設立は先送りされた。計画達成は可能なのか。6月に就任したばかりの吉永社長に聞いた。
−−中国での合弁設立になぜ時間がかかっているのか。
発表できなくて本当に残念だ。当初「昨年末までに」と言っていたので、皆さんも当然正式に発表されると思っていたでしょう。具体的な話ができれば、中国の拡大計画について(報道陣も)腑に落ちたと思うのだが・・。
合弁相手とうまくいっていないわけではない。合弁相手は1社に絞っている。中国当局への申請に時間がかかっている。当局は3年前なら日系メーカーの進出にウェルカムだったが、今では自国メーカーの育成に軸足を置き始めている。
−−中国では1グループで合弁会社は2社までという規定がある。もし富士重がトヨタグループと認定されれば、そもそも合弁会社を設立できないのでは(トヨタはすでに中国2社と合弁を設立)?
公式には何も言われていない。トヨタの出資比率は16.5%。子会社ではないし、支配されているわけでもない。もしそのような指摘があるなら、しっかりと主張する。
当局は環境技術の提供や現地ブランドの立ち上げなどを重視するようになっているが、うちだけでなく、各社の申請に対して同じ姿勢で臨んでいると理解している。あとは待つだけ。我慢強く待つことの練習だと思っている。