「世界一危険な道」をTVマンが歩いてみた【前編】 標高4000m!「ヒマラヤ山脈」の超過酷な現実は?

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格安バスで、チベット仏教の高僧第14代ダライ・ラマ法王が住むインド北部の町ダラムサラーから、古代インドの創世神話にも登場するヒンドゥー教の聖地マナリを目指していた。

8時間ほど揺られ、20キロのバックパックを持ち上げた瞬間、背中と腰に切り裂くような痛みが走った。

46歳。中年。アキレス腱が切れやすい年頃。思いっきり嫌な予感がした。

なんとかリキシャに乗り、目的地のバシスト村に到着した頃には、予想した通り、悪化した腰の痛みで歩くこともままならなくなっていた。

バックパックを地面に置き、途方に暮れていると、「大丈夫か、顔色が悪いぞ」と通りがかりのインド人が声をかけてくれた。

「腰が痛くて歩けない」と答えると、代わりに荷物を持ってくれ、すぐ近くにある日本人宿「フジゲストハウス」に案内してくれた。

インドの山奥にある天然の湯治場

腰の痛みが和らぐまでの間、滞在することになったバシスト村は、偶然にも、インドではまれな天然の温泉が湧き出る湯治場だった。

激しい暑さがインド各地を襲う中、標高2000メートルのこの場所は涼しく、多くの観光客が訪れる避暑地で、腰の療養には最適な場所。まさに運命の巡り合わせだった。

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