苦手な人を「避ける」人が失ういくつもの大切な事 「わからない」を拒むと、「わかる」機会を失う
他者は自分以外の人ではなく、理解できない人のこと
エマニュエル・レヴィナス(1906─1995)は、フランスの哲学者です。幼少期よりユダヤ教の経典「タルムード」に親しみ、成人してからは独自の倫理学、エドムント・フッサールやマルティン・ハイデガーの現象学に関する研究を残したことで知られています。
レヴィナスの言う「他者」とは、文字通りの「自分以外の人」という意味ではなく、どちらかというと「わかりあえない者、理解できない者」といった意味です。
養老孟司先生の『バカの壁』という本が大変なベストセラーになりましたが、レヴィナスの「他者」をわかりやすく表現すれば、要するに「バカの壁が邪魔して通じあえない相手」ということになります。
レヴィナスが残したテキストはどれも極めて晦渋で、これを読む限り、レヴィナス自身はどうも「他者」という概念を、人以外の概念にも拡大して用いているようなのですが、よくわかりません。
ただ哲学研究者でもない私たちのような立場の人間がレヴィナスのテキストから何かを汲み取ろうというのであれば、まずはわかりやすく「他者とは、なかなかわかりあえない相手」ということで、良いと思います。
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