マウンティングする人に限って「できないこと」 学びのプロが教える「本当に稼げる習慣」とは

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ダメ出しをされたとしても、それは人格否定ではありません。リスキリングする過程で出会う、講師や仲間、先輩などは、「ここがちょっと分かりにくい」「もっとこうするといいよ」など建設的なフィードバックをくれる人が大半です。「打たれる」ではなく「磨かれている」 と認識を変えてみましょう。

見栄っ張りをやめて本当の学びを得る

では、どのようにしてリスキリング仲間と切磋琢磨していくか、具体的なやり方をお伝えします。ついつい見栄をはったり、マウントしたくなる気持ちを抑えるには、相手に「感謝する」「褒める」「讃える」ことを意識しましょう

何か教えてもらったら「そんなこと知ってる」などと思ってたとしても「教えてくれてありがとう」とお礼を言う。相手が上手くできたときは「いや、私はもっとできるけど」とマウントを取らずに「すごいね!」と褒める。どちらがすごいか競いたくなったら「私たち、結構いいところまでできてるよね」とお互いを讃える。

「感謝」「褒める」「讃える」ができているグループやコミュニティは、非常によい学びの連鎖が起きます。私は様々な研修の中で意識的にこの言葉を受講生たちがお互いにかけあうように声がけをしています。

また自分が学ぶ際にも「素晴らしい!」「ありがとう」「私たち、すごいよね」などを口癖のようにしています。この口癖を真似した人がいたのですが、学びの連鎖が広がって自分も仲間もすごいスピードで成長できたと効果に驚いていました。

そもそも仕事は自分一人でするものではないので、試験のように自分だけ抜け駆けしようとしても本当の学びは得られません。一人だけムスッとしていたり、マウントする人がいるとコミュニティ全体の学びが減ってしまいます。自分を鍛えてくれるのは他人だと思えば自分も貢献しようという気持ちになると思います。

清水 久三子 アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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しみず くみこ / Kumiko Shimizu

アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた

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